ユニバーサル技術者のShuichiro Yoshidaです。
昨日から情報収集の意味も兼ねて学会に聴講しに来ています。
管理人が発表するわけではありません。
管理人は学会発表にはあまり興味なく、学術論文一筋派ですから。
この学会に顔を出すのは6年ぶり。
研究動向は結構変わっていました。
これは、なかなか面白いな、というものもあったのは事実ですが、大部分の研究に対して言えること、
プログラムを使った解析、シミュレーションに頼った発表が極めて多い
ということです。
解析やシミュレーションを否定するつもりは毛頭ありません。
ただし、気を付けなくてはいけないのは、
とりあえずモデルを作って、計算をさせれば結果を出せる
という簡易成果達成手段に陥るリスクが極めて高いという所です。
極端な言い方をすれば、PCに仕事をさせれば結果は出てきます。
この結果と実際の実験を比較しながら丁寧に妥当性を評価していれば問題ありませんが、実験のやりかたに大きな問題があるもの、なかには実験を一切やっていないという発表も結構ありました。
これらの研究発表の多くを聴きながら感じたこと、それは、
あまりにも、現実・現場から離れていっていないか
ということです。
原理原則を突き詰める科学であれば話は別です。
新しい常識を生み出すというのは必要なこととだからです。
今回の学会での発表の多くは、
とりあえず、こんなモデリングしてみました。
極めて単純な形状しか使えません。
実験はしないで解析だけやってみました。
実際はどのように役に立つのかよくわかりません。
といったもの。
そして、強く違和感を感じたのは、
研究目的が不明確
というところ。趣味でやっているようにしか見えないことがほとんどでした。
もちろん、大学の研究は必ずしも産業利益につながる必要はありません。
それでも、この現象を解明する、といった明確な目標は欲しいところです。
大学の研究はもっと泥臭いものでいいと思っています。
PCという革新的発明品に頼りすぎて、目の前の現象が見えなくなる、ということだけは避けてほしいところです。
とはいえ、中には興味深い発表もあったので、今後に期待をしたいと思います。