技術者としてあるべき姿や、日々の不満などをここで述べさせてもらっていますが、
今日は私が最近取り組んでいる事をお話しします。
技術者だけでなく、いわゆる雇われているサラリーマン一般の方に当てはまる愚痴があります。
「なかなか出世ができない」、「他社のほうがいい労働環境(特に給与)だ」、「会社の上層部は無能の人ばかりだ」
のような、会社内の環境に関する不満です。
私個人的にはサラリーマンとしての働き方はとても優れたシステムではないか、
と考えています。
なぜならば、同じ組織に複数人いるから一人二人がサボっても仕事が回らないことはないし、
働きに対する報酬が少ないという不満はあっても、
最悪ばれないように何もしていなくても給与がもらえる。
終身雇用が崩壊した、と叫ばれて久しいですが、
なんだかんだ言って日本のサラリーマン万歳です。
私は仕事柄アメリカの会社と色々付き合いがありましたが、
先月までいた人が今月もういない(首になった)、なんていうことはざらです。
しかも、30歳過ぎくらいの人であっても。
それに比べたら、いろいろ不満はあるものの、
本人の意思があれば雇用してもらえる可能性が高い日本は、
やはり素晴らしいです。
と、褒めちぎっておきながらですが、
私は今の環境には一つだけ大きな不満があります。
それは、出世、給与、上司に対するものでなく、人事システムです。
本題に行く前に前置きとして、
最初に書いた一般的な愚痴に対する私の価値観は以下の通りです。
以下前置き
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出世。
そうですね、自由を入れるためにはある程度上に行く必要はあるでしょうが、
別に会社の役員になりたいと思ったことは一度もありません。
経営に関与するのはそれはそれで楽しいですが、社長以外は結局使い走り?というイメージが。
あくまでイメージですけど。
繰り返しますが、ある程度周りに認められないと自由が無いので、
管理職手前くらいまでは出世すべきではないでしょうか。
給与。
生活ができないのではだめですが、節約しながらたまに家族と旅行に行き、最低限の子供の教育資金があるのであれば、
必要以上にお金が必要とは思いません。例えば私は無駄な出費を抑えるため車は持っていません。
カーシェアリングとレンタカーを活用しています。外食もほとんどありません。
外食したいと思ったら、奥様を温存し私が料理を作ります。
子供にも手伝ってもらいます。そうすれば、外食するよりも安く済みますし、
何より楽しめます。
加えて、家族持ちの方で大切なのは「奥様」、「旦那様」の価値観です。
いわゆる配偶者。
ぜいたくな暮らしをしたいと配偶者が考えていると、
上のようなきれいごとは通用しません。
私は、自分のお金の価値観に極めて近い奥様と結婚できたので、
ここの苦労は皆無です。謝謝。
上司。
これはよくわかります。
私も入社以来悩みの種は上司でした。
無能だから、ではなく有能でしたが自分のやりたいようにしかやらせない、
面倒くさい人でした。
最後は追い出してしまいました。
上司に圧力をかけられながら、文句も言わず、黙々と仕事をこなしたことで、
気が付いたら「自他ともに認める有能な上司」は、
私にとって「平凡な同僚」になっていたからです。
有能と思っていた+思われていた人が、
その領域で「もはや自分が前線ではない」と感じさせたら、
こちらの勝ちです。
経験に裏付けられた実力があれば、上司の権限など全く怖くなくなります。
とはいえ、何回かの私との言い争いの後、上司から「辞める」と言われたときは、予想はしていたものの少し驚きましたが。
今後も、面倒な上司が来たら、最初は色々我慢しながらスキルを上げますが、
必ず最終的には追い出します。だから、今ここについて愚痴はありません。
やり方があるので。
根拠はありませんが、高圧的な人が私の上に来ることはもう無いような気がします。
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以上前置き。
そして前置きが長くなりましたが、
私の今取り組んでいるのは人事システム(組織作り)に関することです。
技術者が人事????
自分が働きやすい環境は自分で構築するしかありません。
しかし、今の人事システムは多くの会社で「横並び」です。
みんなが同じような道をたどりながら昇給、昇格していく。
ただし、自分はこういう強みがある、これなら絶対負けない、
というものがあるのであれば、
それを最大限に生かす環境を構築することが、
仕事を楽しくするポイントとなるのでは、と考えています。
私は技術者であり、研究者もどき(?)です。
会社的には評価されにくい、基礎的な研究が主業務です。
でも、これを表向きにしていたら今のような自由はなかったでしょう。
表向きは開発最前線で戦うチームのリーダーをやって評価をあげていますが、
これらの実務は後輩が担ってくれています。
もちろん、上層部には実績は私ではなく、後輩がつくりだしたものだ、
というのは申告しています(成果を横取りするほど女々しくありません...)!
実は、今表向きと逆の基礎研究こそが、
私の力を最大限に発揮する環境なのではないか、
というのが実感です。
当然、このような環境が欲しくてここまでやってきたのですが。
そこで、私が独自に作り上げてきた環境を、
会社の中での新しい組織と人事システムとして構築できないのか、
ということを人事担当者と話しています。
話をしてわかったのですが、人事というのは非常に保守的な世界のようですね。
ただし、どこまで変わるかは別として、
「横並び」の人事システムとは全く異なる新しい人事システムを構築できれば、
私と同じ考えをした人間を受け入れる受け皿ができ、
人材流出を防げるため会社にとってもメリットがあります。
そして何より、雑用ばかりでスポットライトの当たりにくい人事担当者に明確な成果を提供できると考えています。
技術者、研究者はその道で一流であるべき。
そんなことは当たり前です。
これができずして技術者、研究者としての肩書を語るべきではありません。
ただし、プラスアルファとして自分の働きやすい環境を構築するという、
システム改革力も非常に重要と思います。
居酒屋で愚痴を言う暇があったら、こちらに時間と労力を割くべきでしょう。
もちろん、会社で必要な人材と思われるために、成果を出し、
それをアピールする営業力も大切というのは言うまでもありません。
会社の利害と無関係なスペシャリストを抱える社内第三者機関を構築し、
そこに所属する技術者、研究者がは一般雑務と切り離され、
会社の利益とは無関係に自分のやりたい仕事に没頭し、
その代わりに世界に誇れる成果を継続的に発信していく、
ということを考えています。
この考えに、人事部担当者は基本的には前向きでした。
ただし、この考えを人事部上層までもっていくにあたり、2点ほど提案されました。
1.これまで通り+これまで以上に目に見える成果を出してもらい、
一方で成果を出すのに弊害となっているものを整理してほしい。
2.同じような境遇で悩んでいる仲間を増やしてほしい。
なるほど。さすが、現場を知っている人の話は鋭い。
今後もこの人事担当者は仲間として巻き込んでいきます。
先は長そうですが、結果はどうあれやれるとこまでやってみます。
懸案を言い出したらきりがありませんが、やるのは自由ですからね。
ここからいろいろ吸収し、最終的には自分の糧にしたいと思います。
とりとめなく、長々失礼しました!